なむなむ

@namb_nam による恥晒し

足りてないことの意識(概念的定義と操作的定義)

概念的定義と操作的定義の話。

軽くググったところ心理学や哲学でよく使われる用語らしいが、『分析者のためのデータ解釈学入門』では、「測定の難しさ」の項で触れられている。データを取得する際、「そのままでは測れないもの」を実際に測れる指標で代替するが、厳密には異なるものを測っているという意識を忘れてはいけない。測定したいものと、測定できるものの違いを意識せよ、という話である。

整理すると、

  • 概念的定義:測りたい概念(例:頭の良さ)
  • 操作的定義:測定という操作による定義(例:IQ)

直接は測定できない概念(例:頭の良さ)は理論的構成概念とも呼ばれる。また、理論的構成概念を操作(測定)によって定義する方法論を操作主義といい、概念的定義と操作的定義はこの操作主義で生まれた概念らしい。

これを実務に適用する。 例えば、「社内で重要なデータって何?」と聞かれて「クエリ数が多いデータ」と答えたとする。

  • 概念的定義:データの重要性
  • 操作的定義:クエリ数

であるということだ。 しかし、クエリ数だけでは測定できない「重要性」があることを常に意識しておかないと抜け漏れが発生する。この場合だと"クエリ数が多いけど重要"という状態がないかは考えないといけない。

  • 操作的定義が表現したかった概念的定義は何か
    • クエリ数が多い≒使用回数が多い
  • 操作的定義が概念的定義につながっていないケースはないのか
    • スクリプトが繰り返しアクセスしていると参照回数は多くなるが、重要とは言えない
    • 逆に、結果がキャッシュされて使用される場合、参照回数は少なくなるが、重要でないとは言えない
  • 概念的定義に対して測定可能な操作定義は他にないのか
    • 参照している社内組織数
    • 社外公開数値の元になっているかどうか
    • 法的に保護しなければならないデータかどうか

などなど。 自分の思考が必要十分かどうかは、常に意識しておきたい。


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