なむなむ

@namb_nam による恥晒し

1%の力(Power of 1%)

『GE 巨人の復活 シリコンバレー式「デジタル製造業」への挑戦』

「規模が大きい会社では、1%の改善が効く」という話としてマネージャーから聞いた。

背景

GEはコングロマリット戦略(自社が保有していない、または直接関係していない他業種の事業を取得する戦略)を採用し多角化していた。
2012年、デジタル化の取り組みを本格化させるにあたり、従業員が30万人の企業で全社デジタル化をいきなり進めるのは難しかったため、初年度はパイロットプロジェクトをいくつか選んで成功事例を作ろうとする「フォーカスとインキュベーション」の年にした。 GEがデジタル化を進めようとしていることは世間にほぼ知られていなかったため、デジタル化の中心になるエンジニアやデータサイエンティストのような人材をなかなか集められない状況で、主催カンファレンス「Minds+Machines」でCEOのイメルトが主張したのが、「1%の力(Power of 1%)」という考え方である。

1%の力(Power of 1%)

GEの産業機器を利用する業界(電力、石油・ガス、航空、鉄道、医療など)では、効率が1%が改善されるだけで膨大な利益が生み出される。
GEの試算では、燃料費を1%改善した時の業界全体・15年累計での利益改善は、航空業界で300億ドル、電力業界で660億ドルになると考えられる。
その1%の改善をもたらすために、産業機器の運用をセンサーデータに基づく改善を進めたい。それを実現するのが「インダストリアルインターネット(ICT技術を活用し、生産性の向上やコストの削減を支援する産業サービス)」である、とした。

この考え方の優れている点

1万円のコストを1%カットしても100円浮くだけだが、1億円のコストを1%カットしたら100万円浮く。
重要なのは100万円カットできることではなく、1%カットできるという点。施策にかかる労力が同じなら、対象が大きければ大きいほど効果が得られる。抜本的ではなく薄くしか効かない施策でも、広範囲に効きそうなら検討の価値ありである。特に、同じ施策が将来的にも効くなら、%の効果はどんどん大きくなる。

データエンジニアリングにおける施策

会社のデータ環境や、自分のデータエンジニアリングにおける1%の改善ってなんだろうか。

データ環境の改善

  • クエリのテンプレートを公開する → クエリを書く時間が短縮される
  • データカタログを充実させる → データを探す時間を短縮する

などはデータ利用のたびに影響する話だから%改善と言えるかもしれない。